M&Aにおけるデューデリジェンスとは、おもに企業を買収しようとしている側が、その相手企業にどのような価値が秘められているのか、買収するメリットとリスクのバランスを推測するため、経営内容を詳細に調べる一連の活動をいいます。

英語では“due diligence”と書き、「適正な注意」といった意味合いです。頭文字を取ってDDと略されることもありますし、日本語で「買収監査(買収調査)」と訳されることもあります。

デューデリジェンスは、その対象によって、いくつか細分化されます。

たとえば「財務デューデリジェンス」「税務デューデリジェンス」では、財務諸表などを検討し、会社のお金の流れについて基本的な部分を調べます。
売上が多くても、節税対策が不十分ならば、買収のリスクが高いと判断され、M&Aが見送られたり、安く買いたたかれたりする場合もありえます。

「法務デューデリジェンス」は、企業活動に必要な許認可が確実に取得されているか、取引先との契約書や株主総会などの法定議事録などが適正に作成され、保存されているかなど、法令遵守(コンプライアンス)の側面から調査されます。
もし、法務デューデリジェンスが不十分ですと、M&Aの後に、当局から指導やペナルティを受けたり、他社から訴訟を提起されたりするリスクがあるためです。

その他、「事業(ビジネス)」「人事」「IT」など、デューデリジェンス活動で対象とされる項目は多岐にわたります。必要に応じて各分野の専門家の助言や支援を受けることも多いのです。

M&A売り手企業の「健康診断」…… デューデリジェンス手続き

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