人的承継とは、後継者に経営ノウハウや社内外の人脈などを引き継ぐことです。

経営を円滑に実施するためには、株式などの資産だけでなく、経営者としての能力や優秀な人材も不可欠です。事業承継を行う際には、物的承継のみならず人的承継についても考慮する必要があります。

人的承継を円滑に行うためには、相応の準備期間が必要です。後継者を育成し、経営幹部、従業員、金融機関、取引先などの信頼を得るようにしなければなりません。従業員に後継者が認められるために、あらかじめ後継者を周囲に紹介おくことも大事です。

経営ノウハウや経営ビジョンを後継者に伝えるために、早期からの後継者教育も重要となります。周囲の支えや協力があれば、後継者がこれまでと同じように事業を動かし、社内をまとめていくことは可能です。

そのためには今の経営スタイルや、社長が担ってきた仕事の役割を客観的に「見える化」し、後継者を含む次世代の経営陣と検討することが求められます。社長の仕事を分割し、権限を各部門のトップに移譲するのも有効な承継方法の一つです。

それだけに後継者だけでなく、それを支える人材の育成と配慮も織り込んで事業承継計画を策定することが重要になってきます。

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