配当還元法とは、インカムアプローチ(収益価値を評価する手法)による企業価値を計算する方法で、企業価値を将来的な配当金額ベースで計算します。
会社の配当政策によって配当金額は変わり、確定的な企業価値が計算できないため、規模の大きなM&Aではそれほど使われません。
配当還元法は、配当金が変わりにくい非上場会社のM&Aで使われることが多いです。
配当還元法のメリットとしては、過去の配当をベースにして計算するため、客観性が優れていることが挙げられます。
例えば、企業価値を計算するDCF法であれば、株価が将来の利益計画に影響されるため、株価は作り方によって大きく変動します。
配当還元法は基本的に誰が計算しても結果は同じになるため、客観性に優れています。
一方、配当還元法のデメリットとしては、着目しているのが配当だけであることが挙げられます。
会社の純資産は配当するほど少なくなるため、一般的に配当すると株価がその分下がることがあります。
しかし、配当還元法では株価は配当するほど上がるようになるため、それほど理論的でないというデメリットがあります。
また、配当還元法は会社の将来的な収益力を考慮していないため、将来的に莫大な収益が獲得できるような会社の株価は低くなる傾向があります。